2024年10月16日
当科の松田正樹先生主著の論文「Involved-field high-dose chemoradiotherapy with respiratory motion management for esophageal squamous cell carcinoma」が【Thoaracic Cancer】誌に掲載されました。 論文を見る≫
以下、松田先生からのコメントです
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本研究では,呼吸性移動対策(主に息止め照射)とinvolved-field radiotherapy(予防照射を省略して,肉眼的病変にターゲットを絞る手法)を組み合わせた,当科流の食道癌放射線治療の臨床成績をまとめました.
照射範囲を極力狭めることで線量増加(≥66Gy)を目指す戦略であり,再発率を低く抑えつつ,重篤な心肺毒性も認めませんでした.一方で,『治療前CTにおける気管/気管支の腫瘍圧排所見』や『70Gyの高線量投与』は食道瘻発生との関連が示唆され,生存率悪化が懸念されました.食道瘻のリスク評価により,線量増加に適した患者群を選定することが重要であると考察しました.
ご指導を賜りました共著者の皆様に,心より感謝申し上げます.また,論文校閲でご尽力くださった戸塚先生,統計解析でお力添え頂いた小林先生/城野先生,そして画像診断において貴重なご助言をいただいた小野原先生にも,この場を借りて深く御礼申し上げます.