2024年11月26日
当科の戸塚凌太先生の論文「Application of NotebookLM, a large language model with retrieval-augmented generation, for lung cancer staging」が〈Japanese Journal of Radiology〉誌に掲載されました。論文を見る≫
以下、戸塚先生からのコメントです。
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近年注目されている大規模言語モデル(LLM)ですが、放射線診断領域における応用可能性が探索されています。一方、LLMはもっともらしく間違った情報を回答として生成することがあり、それによる混乱や診断精度の低下が懸念されておりました。
本研究ではRetrieval-Augmented Generation(RAG)と呼ばれる、信頼できる情報源から情報を検索し、回答を生成する技術を用いてこの問題に対処することを目的としました。その結果、肺癌のTNM分類タスクにおいて、RAGを使用しないLLMと比較してRAGベースLLMが高い精度でTNM分類を行うことができることを明らかにしました。
この研究は、放射線診断科の城野先生にお誘いいただいたところから始まったものでした。ライフサイエンスコースの駒場さん、天川さんの多大なるご尽力の下、多くの放射線診断科の先生方のご協力により形となった論文です。立案から実験、執筆までの全ての過程で多くのご支援を頂き、私1人では決して論文化まで実現不可能でした。ご指導を賜りました先生方に、この場を借りて心より感謝申し上げます。