4月3日に山梨放射線治療研究会が開催されました。当番世話人は山梨県立中央病院乳腺外科の井上正行先生にお務め頂きました。現地参加は43名、web参加14名といずれも多く、また、医師、技師、物理士、看護師など多くの職種からの参加があり、期待の大きさを感じました。
県立中央病院の内田智也診療放射線技師より、「DIBHはホントに心臓線量を低減するのか?」という臨床的疑問に基づいた研究発表が行われました。内容は非常に分かりやすく、先行研究についても丁寧に掘り下げて解説いただき、大変勉強になりました。また、随所に見られる「聴衆を飽きさせない工夫」も印象的で、発表の完成度の高さに感銘を受けました。
当科の石垣快医師からは、放射線治療により病勢制御を得た脈絡膜転移の症例について発表がありました。独自の視点で深く考察を重ねる姿勢が印象的で、さまざまな疑問に対して丁寧に向き合い、時間をかけて検討されていました。準備段階では時間内に収まるか懸念される場面もありましたが、当日は非常に分かりやすく、かつ時間内に的確にまとめられており、心からの称賛と安堵を覚えました。厚生病院乳腺外科の飯塚先生からのご質問により、議論がさらに深まり、当科としてIMRTの有用性についても十分に発信する機会となりました。
県立中央病院乳腺外科の岡知美先生からは、「乳癌脳転移に対する戦略」と題し、劇的な経過をたどった症例についてご発表いただきました。薬物療法と放射線治療をどのように連携させるべきか、また最適解とは何かについて、症例ごとに検討を重ねることの重要性を改めて認識しました。さらに、乳腺外科の中山裕子先生からのご質問を通じて、患者本人の意思決定や同意の在り方についても深く考えさせられました。
特別講演では、吉村通央先生より、「乳癌診療に関わる医療従事者が知っておきたい乳癌に対する放射線治療~基礎から最新情報まで~」と題したご講義を賜りました。医師、医学物理士、診療放射線技師、看護師それぞれの立場に応じた示唆に富む内容で、いずれの職種にとっても非常に実り多い講演でした。特に、薬物療法との併用や外科との連携(領域リンパ節照射を含む)、臨床試験の意義について、多くの新たな学びを得ることができました。また、患者へのインフォームド・コンセントの方法による印象の違いや、看護師による有害事象説明の重要性など、実臨床に直結する内容が特に印象に残りました。
その後の懇親会では、ガイドライン作成に関わる立場ならではの視点や、日常診療における工夫についてもご教示いただきました。講演中には伺えなかった具体的な質問についても活発な意見交換が行われ、日頃の疑問が解消される有意義な時間となりました。どのような質問にも丁寧に向き合ってくださる姿勢が印象的でした。
「放射線治療医はみんな身内だし友達だから」という吉村先生のお言葉の通り、放射線治療に関わる者はみな患者さん思いの心優しき同志であるからこそ、国内留学や転籍などにおいても人と人とのつながりが重要であることを改めて実感しました。強いネットワークの存在を心強く感じるとともに、あっという間に時間が過ぎる充実したひとときとなりました。
吉村先生には、ご遠方より、また信玄公まつりによる混雑の中、山梨までお越しいただき誠にありがとうございました。
(文責 秋田)
山梨放射線治療研究会 開催
2026年05月19日





