RSNA 2019 参加報告 〜髙村朋宏先生より〜

2020年01月08日

 アメリカ シカゴにて、2019年12月1日から12月6日までの日程で105回北米放射線学会(RSNA 2019)が開催された。山梨大学からは本杉准教授、市川新太郎先生(UC San Diego留学中)、玉田先生(UW-Madison留学中)、舟山先生、私高村が参加し、本杉准教授が口演座長、市川先生と私が口演発表を行った。また、2019年2月まで当医局にて在籍していた、ドイツ人研究者 Marie-Luise Kromrey 先生も、口演とポスター発表を行った。
 私はRSNAに参加するのは数年ぶりであったが、前回参加したときには一部でしか扱われていなかった人工知能(AI)に関しての演題やtechnical exhibitが大変充実していることに驚かされ、何かと世間で話題になっているAIが放射線医学分野においても加速度的に進化している事を感じた。私はAIを活用した放射線画像診断支援技術がますます発展し、診断精度の向上や医師負担の軽減に繋がっていくよう切に願っているが、あまり他人事でいると取り残されてしまう可能性もあり少しAIを勉強してみようかという危機感にも似たようなモチベーションもわいてきた次第である。
 今回私は、MR elastography(MRE)を用いて測定した髄膜腫の弾性率とCT perfusionを用いて測定した灌流パラメータとの相関に関する発表を行ったが、私の発表カテゴリーであるneuroradiologyにおいてはMREを用いた検討は数演題しかなく少数であった。この背景の1つには、RSNAはどちらかというと臨床ベースの演題が多く、MREのような新しい技術の有用性を臨床科と連携して検討するためには施設的、人的にハードルが高いということが挙げられると思う。この点において山梨大学は最先端の研究インフラと各臨床科との親密な協力関係が十分にあり、大変恵まれた環境にあると感じた。
 今回の発表においてご指導、ご協力頂きました山梨大学脳神経外科の先生方には心より感謝を申し上げます。
 個人的には出発時にひと波乱あったものの、興味深い演題や会期中の研究会での他施設の先生方との交流、山梨からの先生方との食事会など、大変楽しく充実した学会であった。

(文責:高村朋宏)

 

【口演座長】
本杉宇太郎准教授:Gastrointestinal (Liver Fibrosis)

【口演発表】
市川 新太郎 先生:「Diagnostic Performance and Image Quality of Low-Tube Voltage and Low-Contrast Agent Dose Protocol for Hepatic Dynamic Computed Tomography. 」

髙村 朋宏 先生:「Relationships between Shear Stiffness Measured by Magnetic Resonance Elastography and Perfusion Parameters Measured by Perfusion Computed Tomography of Meningiomas. 」

Marie-Luise Kromrey 先生:「Clinical Evaluation of Diffusion-Weighted MRI based Virtual Elastography for the Assessment of Liver Fibrosis. 」

【ポスター発表】
Marie-Luise Kromrey 先生:「Convolutional Neural Network for Respiratory Motion Artifact Reduction in Multiphasic Liver MRI: Network Architecture and Clinical Evaluation. 」

 

 

プログラム委員会の様子

ー今年のRSNAでは904のデジタルポスター,1662の口演発表がありました.

ー2年後からは全体プログラムを日曜から木曜までの5日間に短縮させる計画であることも発表されました.

 
高村先生の発表の様子

ーいくつかの質問がありました.

 

マリー先生・玉田先生との再会