佐藤葉子先生の論文が、EJNMMI physics 誌に掲載

2021年01月21日

山梨PET画像診断クリニック院長 佐藤葉子先生の論文 “Evaluation of image quality at the detector’s edge of dedicated breast positron emission tomography” が、EJNMMI physics 誌に掲載されました。   PubMedを見る

 

「乳房専用PETの検出器辺縁における画質評価」

リング型乳房専用PETは、ベッドにうつ伏せになって円筒状の検出器の中に乳房を下垂させて撮影します。
従来の画像診断より分解能が高く、小さな乳癌を検出出来ます。
PETの検出器は、中央が最も感度が良く、辺縁の画質は劣化することが知られています。
全身PETではこの部分を重ね合わせて撮影することで劣化のない画質が得られます。
しかし乳房専用PETではこれが不可能で、この部分(=胸壁寄り)に乳腺や乳癌病変が位置することがよくあります。

そこで、この検出器辺縁の画質が中央に比べてどの程度劣化するのか、前半はファントム試験(乳癌と乳腺を模した人工物)で、後半は臨床画像(実際の乳癌の患者さんの画像)で定性的・定量的に検証しました。
ファントム試験では、検出器辺縁から2cmの範囲で画質の均一性や病変コントラストが低下し、劣化が確認されました。
一方、臨床検討では、乳癌の位置が検出器辺縁かどうかに関わらず、病変コントラストはPET/CTより高く保たれていました。
ただし胸壁近くのごく小さな乳癌については今回の研究では不十分なため、さらなる検討が必要と考えられました。

佐藤葉子