第32回定位放射線治療学会の前日の5月25日(木)、定位放射線治療に携わる重鎮の先生方が一足早く甲府に一堂に会し、会長招宴が開催されました。山梨が主幹でなければ出席など遠く及ばない筈の私は、限られた人数での錚錚たる先生方の顔ぶれでの宴において、そわそわするやら舞い上がるやらでした。和歌山から駆け付けた濱先生とも久々に会って、懐かしいパワフルさにまた圧倒されました。
小宮山先生の司会のもと、滞りなく会が進行しました。登壇された多くの豪華オールスターの先生方のお話に聞き入りつつ、会長招宴で印象的だった2点をご紹介します。
1点目は、山梨大学医学部オーケストラ部の演奏でした。
もし自分にオケ部の娘がいたら・・・と想像。ああ、赤ん坊だったあの子が、こんなに立派に大きくなって堂々と演奏している・・・。オケ部渾身のアイネクライネナハトムジークに、涙腺が緩んでまいりました。オケ部の皆さんも、コロナ禍で演奏会が少なかった中、ようやく解禁となり披露された演奏会とのこと、熱意も一入でしょう。オールスターの先生方も食事の手を止めて聞き入っておられました。懐深き先生方が、我らの後輩に表してくださっている敬意に、温かい心を感じてじんわりと嬉しくなりました。
2点目は、ブギウギピアノ連弾ユニット松田兄弟の生演奏。兄弟の息の合った演奏、力強くそれでいて軽妙な音色、コミカルなパフォーマンス、ロックオンする目力とともに会場をさらにヒートアップさせていました。
「線量」という2文字を掲げて「足りない!もっと~もっと!」のシャウトで当科のカンファレンスをオマージュしている様も、流石のエンターテイナーでした。
パフォーマンスのレベルの高さに、兄弟それぞれパフォーマー以外の本職がある事実に驚く先生も多かったようです。さらにはピンポイントに放射線治療医をしている弟(本職はパフォーマーか放射線治療医か?)に会場もどよめき。どちらの「本職」にも手を抜かない松田弟を知る同期として、誇らしくこそばゆい思いでした。
青木先生も飛び入りボイスパーカッションの技を披露し、大西大会長のこだわりの山梨色を前面に出した招宴でした。私はといえば先生方へのお酌もせずにいるうちにあっという間に閉会、気の回らなさにてへぺろよろしく、急いで美味しい料理を平らげることになりました。
閉会後も、興奮冷めやらぬ各自で、旧交を温められた様子でした。私自身も帰宅後、興奮に目が冴え冴えとしてなかなか寝付けませんでした。明日の学会本番を前に、忘れられない一日となりました。
秋田知子