2015年07月07日
本杉宇太郎先生の論文(Quantification of liver fat with respiratory-gated quantitative chemical shift encoded MRI)がJournal of Magnetic Resonance Imaging (JMRI) 誌に掲載されました。PubMedを見る »
【論文解説】
MRIの信号は水分子と脂肪分子のプロトン(水素)から取得される.そのため,肝の脂肪率をMRIで測定することが可能だ.近年ハード・ソフト両面が進歩したため,3次元画像上に肝の脂肪率マップを表示することができるようになった(Chemical shift encoded MRI=CSE-MRI).肝臓のどこに,脂肪が沈着しているかを示し,それも正確にxxパーセントと表示することができる.multi-echo を用いた3次元グラディエントエコー法での撮像で,20秒弱の撮像時間のため患者さんに息を止めてもらっている間に撮影は完了する.息止め20秒は長いだろうか?普通の人なら問題ない.しかし,小児例や高齢者また,心肺機能低下例では時に難しい.この論文では新たに開発された呼吸同期併用のCSE-MRIを用いて息止めなしで肝脂肪率を測定する方法を提唱している.臨床例の検討にて,従来の呼吸停止下撮像法と同等の有効性が示された.この研究はGEヘルスケアとウィスコンシン大学(本杉留学中)の共同プロジェクトである.(筆頭著者:本杉宇太郎)