本杉准教授、共著の論文がRadiology誌に掲載されました

2015年11月05日

本杉准教授、共著の論文、

Pulmonary Embolism Detection with Three-dimensional Ultrashort Echo Time MR Imaging: Experimental Study in Canines

が、Radiology 誌に発表されました。PubMedを見る »

【論文解説】

この研究は,動物実験モデルを用いたMRIによる肺動脈塞栓診断の初期検討である.肺動脈塞栓症とは下腿の静脈内血栓が飛来して肺動脈を塞栓する病態で,エコノミー症候群とも呼ばれている.塞栓される動脈枝の太さにより臨床症状は様々であるが,適切な診断と速やかな治療が必要な緊急疾患のひとつである.近年のMR装置の進歩により,胸部・縦隔領域でもMRIの撮像が可能となっている.特に,近年話題となっているultrashort echo time (プロトンの励起から信号取得までの時間を極限まで短くしたシークエンス)MRI を用いると,CTのような肺の形態的評価と磁化率効果の影響が少ない良好なMR angiography が得られる.この実験では,犬を用いた肺動脈塞栓モデルを作成し,MRI による肺動脈塞栓の診断能を従来のMR angiography と ultrashort echo time MRI で比較した.2名の放射線科医のブラインド読影の結果は,ultrashort echo time MRI が有意に高い塞栓同定率を示した.<結論>ultrashort echo time MRI を用いたMR angiography は,従来のMR angiography よりも肺動脈塞栓を同定するのに優れた方法である. (本杉)