北米放射線学会(RSNA 2015)の参加報告

2015年12月08日

IMG_238311月29日から6日間、北米放射線学会がシカゴで行われました。
山梨大からは、市川新太郎先生、清水先生、野中先生がoral session で発表を行いました。いずれも会場からの質問があり、参加者の興味を引いた演題だったようです。特に市川先生が発表したベイズ理論を肝線維化ステージングに応用した発表は大きな反響があり、会場の外でも議論の続きが行われました。興味を持ってくれた複数の米国施設とは、今後共同研究へ発展するかもしれません。
私は夜のセミナーで依頼講演があり、今後押さえておきたい3つのトピックス(腹部編)につき話をしました。内容についてはオンデマンド配信される予定ですのでそちらをお待ち下さい。   (本杉宇太郎)

 

QIBA meeting報告 

「QIBA」,耳慣れない言葉かもしれませんが,ご存じでしょうか?Quantitative Imaging Biomarkers Allianceの頭文字をとったものです.平たく言うと,臨床試験や日常臨床における画像やパラメータを,全国どの施設においても客観性をもって測定・評価できるような指針を作成するための組織です.

QIBAは2007年にRSNA(北米放射線学会)により設立され,2013年に日本医学放射線学会にも国際化に協力して欲しいとの依頼があり,横浜市立大学の井上教授と順天堂大学の青木教授が日本の代表を務めておられます.CT,MRI,核医学のモダリティごとに複数のタスクフォースが設置されており,その中のMRエラストグラフィ担当委員に当科の本杉准教授と市川が入っております(他の委員は福岡大学の吉満教授と千葉大学大学院工学研究科の菅准教授).

今回,RSNAの委員と日本の委員によるjoint meetingおよびMRエラストグラフィのworking meetingに参加してきました.MRエラストグラフィに関してはRSNAの方でも比較的最近活動を開始したとのことで,私たちも初期活動から関われそうな雰囲気でした.千葉大学の菅先生はファントム作成のスペシャリストですので,ファントムを利用してMRエラストグラフィの撮影および測定の標準化を進めていければと考えています.

2016年4月の日本医学放射線学会総会ではQIBAのシンポジウムが企画されているとのことです.QIBAの活動について理解を深めるチャンスですので,是非参加してみてください.(市川新太郎)

 

発表タイトル

Japanese Seminar in RSNA 2015

本杉准教授 「腹部領域のおさえておきたい3つのポイント」

 

Oral session

市川新太郎先生IMG_2405

・Intravoxel Incoherent Motion Diffusion-weighted Imaging is a Better Indicator of High Grade Hepatocellular Carcinoma Than Conventional Apparent Diffusion Coefficient

・Noninvasive Hepatic Fibrosis Staging Using Magnetic Resonance Elastography: The Usefulness of the Bayesian Prediction Method

野中穂高先生IMG_2408

・Stereotactic Body Radiation Therapy for Primary Lesion of Renal Cell Carcinoma

清水辰哉先生

・Hepatocellular Carcinoma without Gadoxetic Acid Uptake on Preoperative MR Imaging: An Important Prognostic Risk Factor after Liver Resection

 

Poster session

本杉准教授

・Solid Pseudopapillary Neoplasm of the Pancreas: Minimum Knowledge in Pathology to Understand Variation of Imaging Features

森阪裕之先生

・Combined Hepatocellular and Cholangiocarcinoma of the Liver: Minimum Knowledge of Pathology and Variation in Imaging Features

 

IMG_2412