集中講義 第7回「低電圧と造影剤量」

2016年04月21日

4月20日(水)第7回

「低電圧と造影剤量」  講師:相川副技師長

【秋田知子の集中講義日記】 

「腎機能が悪い(けど透析してない)、血管が細くて太いラインキープが難しい、今日CTのあとも造影剤を使うことがわかっている人で、造影CTをしたい」という状況でどうしますか?という問いかけから始まりました。100回にわたる献血ルームでの献血において「血細(ケツボソ)」の烙印を押されている自分にとってはまったくもって他人事ではない!どういった工夫が現場でなされているのか、今日初めてその全貌を知りました。

120kV から80kVに電圧をさげることによって、ヨードに対する減弱が1.6倍になる(主に光電効果による)ことを利用して、造影剤量を45%低減できることを知りました。小児で被曝量を低減させるために同様の工夫が行われていることも初めて知りました。ただしノイズが増えること、アーチファクトが増えること、画像均一性の問題などがあるため、逐次近似法、画像処理の工夫が必要であることも学びました。

その後、「しくじり先生」コーナーで手や金属、頭、体の大きい人での撮影において読影に向かない画像となりうることを知りました。しかし肺、肝、アンギオ前に低電圧で撮影した写真は見事でした。これまで、造影剤を少なくするからには電圧を上げなくてはいけないものかと勘違いしていましたが、全くの素人考えであったことがわかりました。冒頭の不安要素があっても撮影できる後ろ盾があるのは安心であり、いざというときのために慣れておこうと思いました。早速低電圧撮影の画像を読みました。。。ん!!そもそも私にはCT画像全般において修練が必要なようです!