集中講義 第22回「MR基礎4:k空間,フーリエ変換」報告

2016年06月03日

6月1日(水)第22回

「MRI基礎4:k空間,フーリエ変換」  講師:舟山先生

舟山先生の作った動画をシェアします.k空間を中心から徐々に埋めていくと,つまり低周波数の側から波を徐々に重ね合わせていくことで,だんだん画像が出来上がってくる様子がよくわかります.動画はこちらから

 

【秋田知子の集中講義日記】

我らが同期の舟山が満を持して登場!本日はプロトンの分布を画像化するプロセスで使われる技術についてでした。

RFパルスをかけて、周波数エンコード・位相エンコード処理を経て(ここはまた次回以降のお楽しみだそうで)、得られたMR信号をデジタル化することでK空間を得て、それをフーリエ変換することでMR画像が得られる…とのこと。ふうむ。オーケストラの例でとてもとてもわかりやすく解説してくれましたが、いずれも馴染みのない言葉や概念であり、失礼ながら初めは狐に化かされているような気分でした。あるいは詐欺の類でしょうか、税金対策とかオレオレとか。ただ、本杉先生も「今まで聞いたK空間の説明の中で最もわかりやすかった」と仰っており、初めて聞く説明がふなやん、ならぬ舟山先生でよかったと心から思いました。

どの音や画像も波の重ね合わせ(周波数、周期、波の形)で表現できるというフーリエの名言を証明するように、多くの波が重ね合わさるに従い目的通りの一つの波に近づいていきました。さらに、周波数を中心からの距離で、強さを明るさで、向きを位置で示すという、「K空間」…単なる縞模様の、何とよくできた技術と概念。世の中に賢い人はいるんだなあと感嘆してしまいました。途中、脳MRIがK空間から作成されていく過程をみて、まるで舟山先生が、我々の想像を超えたものを舟山先生が意のままに操るもやしもん主人公のようであり、あるいはマジックショーのようであり、狐に化かされているならそれはそれでいいやと思って聞き入っていました。

「このパワーポイントのK空間が表紙スライドの背景になってます」と始まったときは、「はてはて?」と思いましたが、こんな私でもK空間という縞模様の概念をぼんやりと理解することができたように思います。無論、私の説明では誰一人説得できそうにありませんが…