集中講義 第23回「MR基礎5:スピンエコーとグラディエントエコー」報告

2016年06月07日

6月6日(月)第23回

「MRI基礎5:スピンエコーとグラディエントエコー」  講師:本杉先生

 

【秋田知子の集中講義日記】

 まず励起は横磁化、T2コントラストは横磁化が減衰する過程を、T1コントラストは縦磁化の回復する過程を見ていること、K空間とフーリエ変換はそれぞれを画像化するプロセスで使われることをざっくりと復習しました。この復習が寝ぼけ頭にはとっても助かります。

 本日は励起(送信)の間にあるエコー(受信)について。エコーの種類としてFID,GRE,SE,HE,STEが挙げられ、オリジナルのFID(T2*で減衰)は殆ど臨床では使われないこと、エコーの中でもGRE(グラディエントエコー)、SE(スピンエコー)を主に用いることを知りました。

 1つ目の主軸、スピンエコーの説明にて。何度も反転されては再収束し信号となるisochromat(磁場の不均一を無視できるくらい小さな領域での核磁気モーメントのベクトル和)の説明を聞きながら、目覚まし時計でたたき起こされては二度寝三度寝を繰り返す自分自身を見ているようでした。しかしながらスピンエコー法を使うと、あんなに減衰してしまうT2が胎児やMRCPなどで何とsingle shotで撮れるとのこと。すごい技術。こちらは二度寝などではなく七転び八起きという感じでしょうか。あのきれいな画像がsingle shotで撮られていたとは知りませんでした。

 主軸の2つ目、グラディエントエコーとは、180°パルスの代わりに傾斜磁場を使う方法で、プロトンの位相を速くばらばらにしておき、その後逆の傾斜磁場をかけることでたくさん磁場を感じていたものが今度は遅く動くようになり、強制的に磁場が揃えられ最大になる信号のことであり、TEを短くしたいときに用いるということでした。

 それはそうと、ここでいうエコーはやまびこのように、パルスをかけたときに返ってくる信号だそうです。新幹線やまびこのごとく素早く起きられればいいのに、今朝も二度寝三度寝を繰り返す秋田でした。