集中講義 第24回「MR基礎6:エンコーディング(周波数,位相)」報告

2016年06月09日

6月8日(水)第24回

「MRI基礎6:エンコーディング(周波数,位相)」  講師:本杉先生

 

【秋田知子の集中講義日記】

「エンコーディングのグラディエントでK空間を移動しろ!」と、暗号のようなカッコイイ台詞で始まりました。全6回のMRIが本日最終回。最終回にして(基礎なのに)未知の領域があるMRI、しびれます、奥が深いです。

 まずは中心でコントラストを、辺縁でエッジを決めるKスペースの復習。そして血管造影で行うview sharing(DISCO)のお話。撮像に時間がかかるのがネックなMRIにおいてHCCの病変だけを数秒ごとに描出できる技術があるなんて、名前の通り踊り出したくなります。「苦手だ」と言って逃げてないで、目的を達成するためのたゆまぬ努力で進化しているのですね。

 そして、話は「いかにしてエンコードするか」という本題に入っていきます。簡単のために二次元において横に周波数エンコード、縦に位相エンコードをとってK空間を移動していきます。Echo planer法、中心を重点的にスキャンする方法、渦巻き状に移動していく方法などなど。暗号を読み解くようで面白かったです。

ノーベル賞に深くかかわった「美しい世界」…数学や物理の美しさに感嘆する領域には私はまだ足を踏み入れられていませんが、仕組みについて繙く機会を得て本当によかったです。「傾斜磁場が時間軸を空間軸へ変換する」だなんて、初見では言葉のサラダのようであり、その実、美しい世界への入り口なのですね。MRI全6回で扉の鍵をゲットしたというところでしょうか!