6月15日(水)第27回
「IVR-3 TACE, vascular IVR」 講師:岡田先生
【秋田知子の集中講義日記】
TACEのすべて・・・とは行かないまでも(放射線科に入って三年は修行が必要とのこと)、薬液の選択、量、分布、塞栓の程度等について講義いただきました。
肝予備能、腫瘍数、存在領域によって治療方針を決め、優先順位としては破裂のリスク(肝外への突出など)、主要な脈管に近接(浸潤リスク)、大きいもの(転移のリスク)、他の治療法が困難(尾状葉などRFAしづらい)などを復習。また薬液量は、全体像をみて逆算して局所の薬剤量を決める、とのこと。一律で決まっていると思っていましたが、理論と経験に基づいた計算だったのですね。手練れのなせる業です。
次に薬液の種類としてエピルビシン、アイエーコールの概要と、配合するリピオドールとのエマルジョン・サスベンジョンについて、さらに薬剤なしパターンについて学びました。さらには塞栓物質としてジェルパート、ビーズの性質と使い分けについて学びました。ここで詳細を割愛するのが勿体ないほどのコツの数々を伝授いただきました。次回IVR症例ではこういったところもきちんと注目して見よう!とワクワクしてきました。
最後に具体的な症例に照らし合わせて解説をいただきました。お話の中で何度か、「~していると痛い目にあいます」との言がありました。講義の冒頭に「理想と現実は違う、患者ごとに使える抗がん剤や造影剤、カテーテル選択性などの制限がある」とのお話がありましたが、IVR手技中に現実にはおそらくいくつもの難局、冷や汗ものの場面を乗り越え、現在の手練れDr岡田に至るのだなあと勝手に想像しました。私などのひよっこは、初歩段階でせめて痛い目に合わぬよう、本日のお話もしっかり復習していきたいと思います。