2016年06月20日
6月17日(金)第28回
「IVR-4 血管解剖3」 講師:荒木先生
【秋田知子の集中講義日記】
門脈大循環短絡の血管解剖についてご講義いただきました。
肝硬変等の原因により門脈圧が15㎜Hg以上となった症例に対し、PSE(部分的脾動脈塞栓術)をすることで門脈圧亢進が改善し、血小板低下も目に見えて改善。theory通りに症状が改善する症例に、「打てば響く」そのスッキリ感がとても爽快でした。
そして門脈に流入するのは上腸間膜、下腸間膜、脾、左胃静脈のみですが、門脈圧亢進時に発達する遠肝性側副血行路について。生理的にある短絡路によってできる食道静脈瘤(奇静脈)、直腸静脈瘤(内腸骨静脈)、傍臍静脈(腹壁静脈)に対し、胃静脈瘤、脾腎短絡などは一般的には非生理的である点で一線を画しているとのこと。ここで湧き上がる「食道静脈瘤がないにもかかわらず胃静脈瘤、脾腎短絡の発達している症例があるのはなぜか」という疑問に対し、すかさず二度目のスッキリ。先天的門脈大循環短絡を持つことがあることを初めて知りました。発生の統一性(必ず門脈がある点…当然でしょうが)と多様性(いろいろな破格がある)の両者に神秘を感じました。
さて、私はというと、肝心かなめの肝臓を労われているだろうか、と不安になって参りました。絶えず毎分1L以上の血流が門脈から送られている肝臓さん、休まず働く肝臓さんありがとう。アルコールに肝を冷やしたり焼いたりと、今後も末永くお世話になるなあと、改めて健康を肝に銘じた次第です。