集中講義 第33回「放射線腫瘍学総論」報告

2016年07月04日

6月29日(水)第33回

「放射線治療3 放射線腫瘍学総論」 講師:大西教授

 

【秋田知子の集中講義日記】

 ひろく腫瘍学という観点から放射線治療を概観するご講義をいただきました。

腫瘍学とは悪性腫瘍を患者の希望するスタイルで治療するための基礎的・臨床的学問のこと。さらに放射線腫瘍学とは、画像、IVR、放射線治療全てを網羅するもので、常に最先端技術を応用、手術や薬物療法にも広範な知識を持ち、全人的にケア・キュアすることを目指すための学問であるということ。

 「身体にも心にも生活の質にも経済にも優しい放射線治療」ということで、畳みかけるやさしさの嵐で信者続出も納得の「大西節」で盛りだくさんにご教示いただきました。

 中でも印象的だったのが、2014年R.D.TimmermanらによるASTROの論文での「疑わしきは罰せず」という方針の有効性でした。バイオハザード(ゲーム)で数うちゃあたると矢鱈と撃ちまくり(そして外しまくり)弾数が無限だからと敵が来る前から引き金を引き続けているようではだめなのです。「やさしさに根差した医療によって治療成果が上がる」とは、一石二鳥どころの話ではありません。

 そして、高い水準を保つために先生方が常に自分に課していることなどについても垣間見えるようで、それはさながら常に高みを目指すストイックなアスリートのようでした。患者さんのための医療、がん医療の質を保つためのconductorでありmanagerとなれるように、ゾンビではなく自分との闘いを課していきたいものだと思いました。