集中講義 第35回「線量計算・アルゴリズム」報告

2016年07月06日

7月4日(月)第35回

「放射線治療5 線量計算・アルゴリズム」  講師:佐野技師

 

【秋田知子の集中講義日記】

 体内線量についてと、線量計算方法についての2本立てで講義をいただきました。

 治療計画装置RTPsがなかった時代、体厚、水として治療計画を立てていたという話を以前聞いた際は本当にびっくりしました。人間は水風船じゃないのに!骨も筋肉も脂肪も空気も含んでいるのに!時は流れ、今ではX線エネルギー吸収が電子密度によって異なることを利用しCT値を利用して電子密度を求める不均質補正をかけることができます。体厚だけで計算していた時分からみれば夢の時代でしょう。人間の創造する力はすごい。

 なお、喉頭がん(T3)で5%の線量差が治癒率に大きく影響するとのエビデンス。消費税分も忽せにはできないわけです。

 次に線量アルゴリズムについて。Model based algorithmに含まれる、コンボリューション法、superposition法、モンテカルロ法のうちsuperposition法が最も頻用される方法であるとのこと。さらにここでインテリワードが続出。入射X線が相互作用で失ったすべてのエネルギーをTERMA、相互作用周囲に付与されるエネルギー分布をモデリングしたものがカーネル。なぜでしょうか、急にフライドチキンが食べたくなりました。

 TERMAの計算方法はConvolution法とsuperposition法とで同一ですが、カーネルの不均質補正はsuperposition法でより突き詰めているという相違点があります。アルゴリズムに則って、TERMAとカーネルを重畳積分することで全体の線量分布図を作るということです。治療計画の真似事をしたあのとき、対向二門でテキトーに操作していたら一瞬で画面に線量分布図が現れました。あの一瞬で、そんな複雑なことを治療計画装置は計算していたということです。フライドチキンをどのピースにするか迷っているうちに3Dの線量分布図が出来上がってしまいます。人間の作り出した機械も全く、大したものです。

 アルゴリズムのイメージをこの身に焼き付けて、機械にできることは機械に任せつつ、自分が水風船じゃないことを証明するためにも、人間にできることを着々とやっていきたいものです。