集中講義 第36回 「腫瘍画像」報告

2016年07月12日

7月6日(水)第36回

「放射線治療6 腫瘍画像」  講師:大西教授

 

【秋田知子の集中講義日記】

 日々、何を考えて腫瘍画像をみればよいかについてレクチャーしていただきました。

そもそも、手を触れずにみる、治せることが放射線治療の特徴の一つであり、さながら手品のようなものだと思います。しかしそれだけに技量が必要なものだということを改めて痛感する講義でした。

 まずは診断の過剰評価について。癌患者の孤立性肺結節の30%は良性であること、骨転移と思ったら結核腫や神経鞘腫であったこと、脳転移とおもったら放射線壊死、などの具体例をもとに講義をいただきました。悪魔の証明というパラドックスに基づいて、「否定できない」は自明の理であり何も言っていないのと同じとのお話。お言葉に耳が痛いことを否定できません。

 次に診断の過小評価(見落とし)について。責任病巣は一つとは限らないこと、適切な治療に結びつかない診断は意味がないこと、範囲外となりうることから悪性リンパ腫は男性なら精巣も範囲に入れないといけないこと、スカウトにも着目し患者背景を察知する能力を身に着ける必要があるとのこと、などの陥りがちなピットフォールの供覧がありました。腫瘍医がみる順番として、まず脊椎から、次にその他の骨、という順番にも意義深さを感じました。

 珍しい症例より隅っこの転移、ホームランよりノーエラー、カッコよさより地味な誠実さが大事とのお言葉をかみしめていきたいと思いました。経過をみる途中なら、自分は送りバントでいいのだ、空振り三振で打席を無駄にすることの無きよう努めていかなくては。

 ついつい難しい症例は避け、わからないことは安易に上級医に尋ねるといった易きに流れてしまう自分ですが、「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ・・・」崖っぷちのような心もちで真剣に望みたいと気合スイッチを入れなおしました。