集中講義 第39回「高精度外部照射」報告

2016年07月22日

7月13日(水)第39回

「放射線治療9 高精度外部照射」  講師:栗山先生

 

【秋田知子の集中講義日記】

 高精度外照射について、定位放射線治療、強度変調放射線治療の二本立てでご講義いただきました。粒子線も広義には高精度照射のうちとのことですが今回は割愛です。これまでSTI、SRS、SBRTなどの略語が私の頭の中でごちゃごちゃしていたのが、すっきりと整理されました。

 前半に定位放射線治療(STI)の説明。一回で照射を終えるSRSと、シェルなどで固定し複数回照射するSRTとがあり、後者では分割照射でのメリットを生かせるというわけです。また、照射部位としては頭頸部、体幹部(SBRT;肺、肝、前立腺、膵、リンパ節など)。高精度なだけにとても神経を使うとのことで、呼吸性移動対策や高い位置再現性(IGRTやコーンビームCTetc)、線量投与基準点の検討が必要となるとのことでした。

 人間の目で見て頭で考えて許容範囲を探る。呼吸性移動対策を行う。技師さんらと共に再現性を確認する。これらの、患者さんとスタッフ一丸となって共に作っていくのが感じられる治療の双方向性な雰囲気が私はとても好きです。

 次にIMRTのお話。照射範囲の複雑な線量分布、高い空間位置精度が必要とされる症例で用いられ、頭頸部、前立腺などでお馴染みです。IMRTは一つの照射内で線量強弱をつけることが可能で、内に凸な分布も可能です。天才的な能力!inverse planningで、Step and shoot法、sliding window法などがあるとのことで各々の方法をドラえもんを描く過程でご説明下さいました。まーるかいてちょん、のドラえもん絵描き歌の作者もIMRTであの複雑な猫型ロボット似顔絵が照射範囲として再現されるとは思ってもみなかったでしょう。ドラえもんでふと考えたのですが、放射線治療って、いわば腫瘍にとって究極の「スモールライト」なのかもしれません。