ECR 報告その1

2017年03月05日

シーメンスがMRI新機種を発表

シーメンスがワイドボアのフラッグシップモデルとなるMAGNETOM Vidaを発表した.FDA未承認とのことで,日本での発売は1年後程度になるだろとのことであるが,ボア径70cmで,最大傾斜磁場60mT/m (現行Skyraの1.5倍)を達成したハイエンドマシーンは魅力が満載だ.今回説明があったのは,スライスごとにシミングを行い,コイル中心から離れた部分でもアーチファクトの少ない画像を得られる新技術.この技術により,Whole body DWI の撮像がより早く,きれいに行えるようになるという.また,Radial sampling の新技術GRASPがいよいよ搭載されるらしい.自由呼吸下で肝ダイナミックMRIを撮像しておいて,ポストプロセッシングで呼吸ゲーティングを行なう技術.動きに強いRadial samplingの強みと,Golden angle のコンビネーションで,撮像後に任意の時間分解能で画像再構成が可能となる.今回のECRの口頭発表でもきれいな画像も提示されていた.「息を吸って止めて下さい」のアナウンスが不要で肝MR検査ができる日は近い.

本杉宇太郎

 

2017ECR1