6月30日(金)~7月1日(土)、旭川において第31回腹部放射線学会が開催されました。
医局から、本杉准教授、斉藤彰俊先生、市川新太郎先生、佐々木先生、舟山先生、渡邊先生が参加しました。
【佐々木優先生より報告】
動物園の街、ラベンダーの街、甲府の約二倍と広大な盆地の街旭川で腹部放射線学会に参加して来ました。各症例報告すべてに病理医がコメントをくれるという構成で、病理医の着目点が新鮮でした。
元始病理は実に太陽であった。
病理が絶対的なファイナルアンサーであった時代は少しずつ変わりつつあるようです。個人的には「腎盂癌の腎静脈内浸潤により被膜下出血をきたした」症例の、「病理所見では腎静脈内腔に腫瘍細胞あり。腎静脈浸潤に矛盾なし」というコメントに対して、「静脈内浸潤する腎盂癌としては画像所見が非典型的である。腎静脈内腔に腫瘍細胞があるのは出血の影響ではないか。仮に浸潤があったとしても出血の後ではないか。」というコメントが印象的でした。病理所見と画像所見を総合して多角的に診断に迫ろうという探究心の賜物なのでしょう。病理が月になったなどとは思いませんが、アポロ11号のように画像診断もいつか太陽に及ぶのかもしれません。
最後に気がついたことを一つ。口演会場が一つのみでした。それだと聴衆が一室に集まります。仮に血気盛んで手厳しい聴衆がいくつかの会場に分散せず一同に集うと質疑応答の場は、、、身が引き締まる思いです。
佐々木 優
追)ご体調のすぐれない中、学会長を務めていただいた高橋康二先生、誠にありがとうございました。
【口頭発表】
渡邊 裕陽先生:「膵粘液癌の1例」
舟山 慧先生:「広範な静脈内ガスを伴ったS状結腸憩室炎の1例」
佐々木 優先生:「卵巣腫瘍と鑑別が困難であった小腸GISTの1例」
【クイズ展示】
市川新太郎先生:「Giant peritoneal loose bodyの1例」
舟山先生の発表風景
左から、市川先生、本杉先生、斉藤先生
佐々木先生と舟山先生