2019年05月27日
清水辰哉先生の論文「MRI‐based risk factors of hepatocellular carcinoma in patients with chronic liver disease: A prospective observational study」が、Journal of Magnetic Resonance Imaging 誌に掲載されました。 PubMedを見る
【論文解説】
慢性障害肝には肝細胞性造影剤(EOBプリモビスト)を取り込まない乏血性結節が生じることがあり、これらは進行肝細胞癌の前段階である早期肝細胞癌に相当することが、これまで多くの研究で示されています。よってそのような結節を有する肝臓(Non-clean liver)は、そうでない肝臓(Clean liver)よりも進行肝細胞癌の発生率が高いことが予想されます。過去にそれを証明した研究はいずれも後ろ向き研究でしたが、今回は前向き研究で証明することができました。また先述のような多段階発癌だけでなく、De novo発癌もClean liverに比べてNon clean liverで有意に多いという結果になりました。EOB-MRIを施行してNon-clean liverかClean liverかを明らかにすることは、進行肝細胞癌のリスク予測に非常に有用であると言えます。
清水辰哉