診断チーム、MR学会にて発表

2019年10月01日

9月20日(金)~22日(日)、熊本にて、「第47回日本磁気共鳴医学会大会」が開催されました。
医局から多くの先生が参加し、講演、発表を行っています。

以下、舟山慧先生からの報告を掲載します。

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 第47回日本磁気共鳴医学会に静岡県立総合病院より参加させて頂きました。MR学会は、よくある学会とは異なり、医師だけではなく技師さんや基礎研究者など幅広い背景を持った方が参加するのが特徴です。MRIを軸にコアな人達が一堂に会する学会で、MR好きの私としては楽しみにしていたイベントの1つです。
 今年のMR学会は645abstractがありました。山梨大学からは本杉准教授をはじめとして、市川先生、玉田先生がシンポジストやセミナー演者としてご講演され、小林先生や技師さん、学生さんの発表を合わせると全部で12の演題発表がありました。いずれも山梨大学の特徴が表れた演題で、静岡の地でやや研究から離れた生活を送っていた身には非常に刺激的でした。
 腹部領域ではなんといってもStack-of-Starsを利用した自由呼吸下でのT1強調像に関する演題が目立ちました。Stack-of-Starsとは、T2強調像で利用されている呼吸運動に強い撮像法であるPROPELLER法を応用したような撮像法で、これまで課題だった呼吸運動の影響を抑えたT1強調像が撮像可能になる技術です。呼吸停止が難しくMRI検査が難しい患者さんにも検査機会を提供できるだけではなく、これまで誰も見たことのない検査である自由呼吸下のdynamic studyも可能となることから、熱い注目を集めていました。
 MR学会全体のトレンドをみるために、全抄録から単語の出現頻度を調査してみました。図はword cloudという手法を使って頻度が高いものほど大きく表示されるよう、最頻単語の上位200をピックアップしたものです。全単語のword cloudでは「撮像」や「描出」など一般的な単語が多すぎ、トレンドというよりは「どんな言い回しが多いか」を反映していそうです。

英単語に絞ってみると「DWI」や「CScompressed sensing)」などの単語が浮かび上がってきました。CNRROIなどの画質評価に関する単語も認められます。「CSF」や「QSM」、「MRE」などの単語も比較的大きく表示されており、CSF flowや比較的新しいコントラストへの注目も想像されます。 MRIの進歩はとどまるところを知らないようです。私も学会で受けた刺激も糧に、明日からの臨床と研究に邁進していきたいです。 

舟山

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発表内容は以下の通りです。(プログラム順)

講演

【シンポジウム2】
座長 本杉 宇太郎准教授

市川新太郎 先生:Imaging diagnosis of hypervascular hepatocellular carcinoma (多血性肝細胞癌の診断)   →

 

 

 

【国際交流シンポジウム1】
玉田大輝 先生:Noise and artifact reduction of MRI using deep learning approaches (ディープラーニングを用いたノイズ及びアーチファクト低減の試み)  ↓

【ランチョンセミナー7】
本杉宇太郎 准教授:A use of gadoxetate disodium in LI-RADS (LI-RADSにおけるEOB-MRIの位置づけ)    

【ランチョンセミナー13】
本杉宇太郎 准教授:Cutting Edge Technology and the future (Cutting Edge Technology と今後の展開)

 

一般演題(口演)

1日目

濱崎真滉 技師:Investigation of isotropic 3D SPGR imaging with breath-holding using the AIR technology (AIR コイルを用いた息止めisotropic 3D SPGRの有用性の検討)

川村元秀 君(学生):Accelerated high resolution DWI using deep learning-based denoising with Noise2Noise
technique (Noise2Noiseを用いた深層学習による高分解能拡散強調像の撮像高速化)

玉田大輝 先生:A water-fat separation using a convolutional neural network for the spiral imaging in the
sinogram space (畳み込みニューラルネットワークを用いたスパイラル収集サイノグラム空間における水脂肪分離手法の開発)

佐藤兼是 技師:Development of a reconstruction approach for diffusion-weighted imaging of the liver using CNN (CNNを用いた腹部DWI画像画質改善手法の開発)

2日目 

Liver Elastography 座 長 本杉宇太郎 准教授

舟山 慧 先生:Visualization of nigrosome 1 and correlation with aging and sequences (MRIによる中脳黒質nigrosome 1の描出:加齢および撮像方法の影響)

小林久人 先生:Factor analysis of HCC development after achieving SVR with oral antiviral therapy for hepatitis C patients (C型肝炎患者に対する経口抗ウイルス薬療法によるSVR達成後の肝細胞癌発生に関する因子解析)   →

3日目

大宮慶惠 先生:Usefulness of differentiation of benign or malignant breast mass by T1 SPGR using the Stack-of stars (Stack-of-starsを用いたSuper high frame rate dynamic MRIによる乳癌鑑別)

ポスター 

AI & Image Analysis 座 長 玉田大輝 先生

阿部史門 君(学生):Investigation into T2* decay of water and fat due to the iron deposition in the liver (肝臓鉄沈着による水及び脂肪のT2*への影響の考察)