拡散強調像は水分子の拡散現象をMRIで画像化する方法で、広く日常臨床に応用されています。実際には水分子のランダムな動きがコントラストとなります。MRIの画像に現れてくる水分子のランダムな動きには大きく2種類あります:分子拡散と微小血管内の血流です。従来の拡散強調像では分子拡散に着目するため、微小血管内の血流の影響が無視できるように撮像パラメータを設定していました。しかし、厳密な意味で微小血管の血流の影響は避けられないし、本来持っている情報を捨ててしまうのはもったいないです。そこで分子拡散と微小血管の血流(一般に灌流と呼ばれる)の両者を同時に測定する方法が近年注目を集めています。この拡散と灌流を定量するモデルはIVIMモデルと呼ばれ、多数の画像から取得された信号値をbiexpontneialの式で近似するものです1-3。我々は、このIVIMモデルの簡易計算ソフトを作成し公開しています。IVIMの定量化ホームページ »
- 本杉宇太郎(2013).「体幹部拡散強調像:撮像の基本からIVIMモデルまで」,青木茂樹・増谷佳孝・高原太郎・阿部修編,これでわかる拡散MRI第3版,pp98-99.
- 本杉宇太郎(2013).「肝臓IVIMイメージング」,青木茂樹・増谷佳孝・高原太郎・阿部修編,これでわかる拡散MRI第3版,pp446-447.
- 本杉宇太郎(2013).「拡散強調画像:IVIM」,高原太郎監修,高橋光幸・中村理宣・北川久・堀江朋彦編,扇和之編集協力,MRI応用自在第3版.